「地震からわが家を守りたい」
よく言われる事ですが、私たちが住む日本は世界でも有数の地震多発地帯です。地震に力負けしない住まいづくりを目指し、基礎から見直してみましょう。
地震大国・日本。1995年兵庫県南部地震にはじまり、2000年鳥取県西部地震、そして記憶に新しい2004年新潟県中越地震、2005年3月の福岡県西方沖地震など、この10年間に私たちに大きな被害をもたらした大地震が数多く起こりました。
さらに東海地震をはじめとする、将来的に大地震が発生する危険性があると専門家によって指摘されています。
これまで地震の起きなかった空白の地帯と言われる地域も含めて、どこで起きてもおかしくないと言えるのがこの国の現状なのです。
地震が発生するメカニズムは海洋プレートの流れに巻き込まれ、歪んだ大陸プレートが跳ね上がり、そのエネルギーが伝わって起こります(右図)。上図のように日本は多くのプレートを跨ぎ、囲まれいます。そのいずれもが、いつ地震に変わってもおかしくない状況なのです。
・兵庫県南部地震では、 [耐力壁」に不備がある住宅の多くに被害が。
日本の木の家の大半は、お寺や神社建築の伝統を受け継いだ木造軸組工法という在来工法で建てられています。
柱や梁を組み合わせて屋根を支え、“すじかい”という斜め材や木ずりで壁を固定して、地震や台風の強い力を受け止める工法です。
この“木ずり+すじかい”の壁(耐力壁)で建築基準法に適合する住まいづくりは可能ですが、10万棟を超える住宅が倒壊し、多くの犠牲者を出した兵庫県南部地震では、「耐力壁」に不備がある住宅で多く被害が見られたようです。
・地震発生による二次災害で火災が起こる可能性も。
地震は住宅を倒壊・大破させ、住まわれている方に身の危険がせまるばかりでなく、火災の発生といった二次災害も引き起こすことがあります。
兵庫県南部地震でも出火や延焼といった火災によって多くの建物や人命が失われました。
・屋内の家財倒壊による被害も
家財が倒れることで下敷きになる可能性があるだけでなく、内包物が飛び出し、それによって怪我を招く恐れもあります。
「地震に耐えうる住宅」というのは、耐震性のみにとどまるものではなく揺れ自体を防いだり、防火性・耐火性を求めるまでに及びます。回を追ってどういった防止法があるのか説明していきましょう。
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